石の品質

　「石の品質って良くわからない」という声におこたえして、ここで少し詳しく品質の良し悪しについてお話してみましょう。
　 まず、最初に、「この石なら確実に間違いない」というのは“国産石”になります。 国産石がなぜよいかというと、「石は、その地域で採れたものが長持ちする。」という大原則があるからです。石も長い年月を経ると風化が始まるわけですが、やはり気候や風土に合った石、すなわち国産石のほうが風化しにくく長持ちするといわれています。
　では、国産石の中ではどんな石がよいのでしょう。なんといってもこの地域で人気があるのは、岡崎産の石です。岡崎産の石は青石と称され、種類は多く、「牛岩（うしいわ）石」　「小呂（おろ）石」「吉祥（きちじょう）石」などが代表的な石とされてきました。また茨城県産の青石も多く使われましたが、残念ながら、これらは、近年　産出量が減少した事もあり、あまり使われなくなりました。その中で福島県産の芝山石は白い穏やかな石目と安定した丁場で人気を博しています。そして国産石の代表的なものとして、四国の香川県と愛媛県にある二代ブランド石産地が有名です。一つは香川県庵治町の庵治（あじ）石のことで、もう一つは愛媛県の大島で採れる大島石です。
　　庵治石は希少性の高い日本最高峰の御影石で、世界で最も高価な墓石といわれています。 非常に硬く、水を吸いにくく、キメの細かさと光沢の美しさ、重量感が三位一体となった奥深い味わいがあります。
　一方の大島石は、“石の王様”と称される高品質の御影石で、庵治石と比べると若干石目が大きいものの、石肌は大変白く、その美しさは「石の姫」といわれるほどの折り紙付です。確かに価格は中国製品と比べると高めですが、品質を吟味すれば、値打ちがあるといえるでしょう。

みかげ石まめ知識

　それではここで「みかげ石」についてお話してみたいと思います。
　まずこの地域（遠州地方）では、どんな石が、皆様に好まれているのでしょう。この地域で、最も多いのは「白みかげ」「青みかげ」と呼ばれるものです。「白みかげ」は、文字どおり「白みが強いみかげ石」ですが、わかりやすくいうと「白っぽいグレー色」ということになります。「青みかげ」は白みかげよりやや濃い色で、昔から、この地域で好まれた色です。そして今でも、この「青みかげ」が弊店の№１となっています。

みかげ石の由来

　それではそもそも「みかげ石」とは何でしょう？
　みかげ石は、花崗岩（かこうがん）のことで火成岩の深成岩に属します。火山国である私たちの国では数多く産出され、一般に「みかげ石」と呼ばれてきました。語源については、定かではありませんが、古くから兵庫県御影地方で大量に産出されたため、その地名を取って「みかげ石」といわれるようになったとも伝えられています。
　各地で産出される花崗岩には、「石目の大小」「色の濃い薄い」などそれぞれ特徴があります。その銘柄も○○石とか○○みかげというように地名を呼び名にしているものが多く、その主な含有鉱物は石英、長石、黒雲母です。

みかげ石（花崗岩）の特質

① 構造用石材としては最も優れた特質をもち最も大量に使用されている。
② 強度は最大、吸水率は最小、自然の風化に強いことは抜群である。
③ 強烈な高熱に対しては弱い性質を持っている。これを逆に利用し、石の表面加工に焼成機によるバーナー仕上げが応用されている。
④ 耐酸性にも優れている。
比重　2,65　　耐圧強度（5ｃｍ立方）43,08ｔ　　吸水率　0,29％ （1㎥の石の重さは2,65ｔです。）

黒みかげ石について

　通称　黒みかげと呼ばれていますが、分類上は閃緑岩・斑レイ岩のことで、火成岩の深成岩に属します。
　最近は、わが国では良材が少なく、現在墓石・建築方面に大量に用いられているものはヨーロッパ、アフリカ、中国、南米などから輸入されているものが多いようです。風化に強く、硬度・耐久性・吸水率も花崗岩と同等以上で、美しい黒色の研磨効果もよく、光沢の耐久性も優れているので、大理石同様装飾用石材としてビルの外装に墓石に幅広く利用されています。
　 　この遠州地区では、黒みかげ石の墓石はあまり見かけませんが、関東地方を中心に人気が高く、黒みかげ石の墓石が数多く見られます。