１．安山岩（火山岩－噴出岩）

　火山国であるわが国では、全国至る広い地域で見られ、その種類も多く、土木、建築、墓石用に幅広く用いられています。この中で、自然の摂理で薄くはげる代表的なものとして鉄平石があります。　　安山岩の特質は耐火性に優れていることです。

２．玄武岩（玄武岩－噴出岩）

　地球上では最も広範囲に分布されていますが、規則正しい柱状摂理を露呈するところはきわめてまれです。わが国では兵庫県豊岡市の玄武洞がその採石跡であり、地質学的に世界でも貴重な存在です。昭和6年、国の天然記念物に指定され、その周辺一帯は採石できなくなりました。

３．凝灰岩（水成岩－堆積岩）

　主として火山灰や砂岩片などの火山堆積物が、永年の間に、水中や陸上で堆積し凝固してできた岩石であり、わが国に広く分布しています。石質はだいたいやわらかく採石、加工も容易なので使用範囲が広く、比重の小さい軟石は、ほとんどこの部類に入ります。 凝灰石の筆頭に上げられるものは、大谷石です。

凝灰岩の特質

① 中硬またはほとんど軟石である。 ② 耐火性が強い ③ 吸水率が大きいため、風化しやすい。 ④ やわらかく採石も加工も容易である。 大谷石：比重　1.91　　耐圧強度（5cm立方）2.17ｔ　　吸水率　19.04％

４．砂岩（水成岩－堆積岩）

　いろいろな形の大きさの砂が、水中あるいは陸上で堆積して形成した岩石です。硬度も中程度で、準硬石に属するものが多く、吸水性がやや大きく風化しやすいものもあります。石質が緻密で、いくぶんやわらかく加工しやすく、砥石として利用されるものが多いです。

５．粘板岩（水成岩－堆積岩）

　粘土状の物質が堆積・凝固した岩石で、多くの場合板状の組織をもち、剥離して平坦な薄板とすることができます。また極めて祖行きが緻密です。そのため、碁石（那智黒）、硯石、スレート、玉突き盤、記念碑、床・壁面の張り石などに利用されています。

６．緑泥片岩

　青緑石の美しい自然石として、くずれ積み用あるいは景石として広く使用されています。いわゆる伊予青石がこれにあたります。また、緑泥片岩が鉄平石のように層をなして剥離して産出されるものの代表的なものとしては、次のようなものがあります。
　　　　伊予別子青鉄平石、秩父青石 　　　　紀州青石、徳島青石（いずれも小端積み用、平張り用乱型）

７．大理石（石灰岩－変成岩）

　主成分は炭酸石灰すなわつい方解石ですが、常に多くの不純物、主として粘土物質、ケイ酸質物質、酸化鉄などを含んでいろいろ美しい色調や図柄があります。主成分の方解石の硬度は３程度で、花崗岩の主な含有鉱物である石英、長石の６．５～６に比べはるかに軟質です。
　しかし、総じて組織が極めて緻密で、研磨すると美しい光沢があり、大理石の持つ唯一無二の長所で、昔から彫刻や室内装飾に重宝がられ、装飾用石材としての優位を保持しています。ただ、自然の雨水などに含まれる微少な酸に対して化学変化を起こし、つやがうせていくため、もっぱら室内用に限られて用いられています。
　我が国ではヨーロッパ各地に産するような良材が少ないので、今日建築用材としてはその大半を欧州諸国その他から輸入しています。

【特質】

1. 主成分が炭酸石灰（方解石）である。
2. 緻密な組織、研磨効果が抜群である。（光沢が美しい）
3. 比重が大きく２．７０以上である。
4. 酸に弱く、屋外では艶が薄れ消えるという難点があるため、ほとんど室内用に利用される。
5. 装飾用石材（建築内装、彫刻など）として使われる。